医局長挨拶

精神科医を目指す先生方へ

 平成22年4月1日より医局長をしております小鳥居望(ことりい のぞむ)と申します。私は平成9年に15名の同期の仲間とともに入局し、今年14年目の医局生活に入りました。入局後の1年間は病棟で指導医の先生方とともに濃密な1年を過ごしました。初めての統合失調症患者さんとの出会い、初めてのうつ病患者さんとの出会い・・今でも脳裏に強烈に焼き付いています。「患者さんはいろんなことを教えてくれる我々の先生である」こと、「患者と共にする散歩や外出など時間に、診断や治療のヒントが隠されている」ことなど多くを学びました。

2年目からの3年間は、研修病院で腕を磨きました。慢性期の病棟での独特の時間の流れ、空気、そこで自分が何をするべきか。精神科救急に運ばれて来る様々な患者、一瞬の判断、救命での対応、薬物の選択。私の臨床医としての土台はそこにあります。大学に帰リ、私は睡眠医学をサブ・スペシャリティに選びました。眠れない人、眠らない人、眠りすぎる人。彼らの睡眠をポリグラフで観察することを覚え、また統合失調症の方の睡眠動態を追いました。

3年前、教授から異国の地で睡眠を学ぶことを許され、スタンフォード大学で睡眠・覚醒に中心的な役割を果たすペプチド、オレキシンの機能についていくつかの研究に携わりました。今年3月に帰国し、今に至ります。それぞれに興味を抱く分野は違えど、この私のプロフィールは、在局中の医局員があゆむ道のりとしては比較的、典型的なものといえます。内村直尚教授は、医局員の一人一人の個性をいかに生かし、育て、独り立ちしていくかを、広い視野の元に配慮しながら教室の運営にあたっておられます。「人」に興味のある限り必ず、あなたが必要とする、そしてあなたを必要としている領域が精神医学・医療の中で見つかります。また精神医学は、その幅広い関心を持つ専門家一人一人を内包するだけの大きな許容量を持ち続けています。共に経験を積み、医療人生における目標を一緒に探す仲間と出逢えることを切に願っております。

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当講座の特徴

 久留米大学医学部が位置する久留米市は、人口約30万人の中都市で、九州の中枢都市の福岡市から南に約40km、温泉の多い大分、佐賀、熊本に東西に隣接する大変便利の良い場所にあります。前身の九州医学専門学校の創設の2年後、当講座は昭和5年に開講され、今日に至るまで80年の伝統を誇ります。

古きから臨床医学を重視した教育体制を敷き、あらゆる精神疾患に対し、また急性期、慢性期を問わずあらゆる段階期にも対応できる高い臨床スキルを身につけた一流の精神科臨床医を育てていくことが、私たちの教室の一貫した理想です。当講座はこれまで数多くの優秀な精神科医(同門会員)を輩出し、その数280名を超える先輩医師は、いまや全国精神科病床の約8.2%を支える存在になられています。

近年も優秀な人材に恵まれ、現役医局員82名の比較的規模の大きな医局に成長しています。医局員のうち約半数は久留米大学以外の出身者から成り、出身大学による処遇の偏りが全くないことも特色の一つです。

また現在、当院は女性医師職場復帰支援病院への指定を目指し、女性医師への支援体制を強化しておりますが、当講座への女性医師の入局者(現役医局員のうち17名)も増えており、私どもも女性医師が子育てなどのライフイベントと臨床および研究活動を両立しながら、キャリア形成を継続できる環境作りにあたっております。

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一つの節目、新たなる展開

 今年、私たちは一つの大きな節目を迎えます。創立80周年の記念事業の一環である大学病院の新病棟の建築に伴い、平成22年末には本館東棟が完成し、新東棟7階に精神神経科病棟が移転します。

新病棟は1770uという広いスペースが確保され、作業療法室、集団療法室、終夜ポリグラフ検査が可能な睡眠検査室、専用のカンファランスルーム、患者用の個室といった現在の病棟にはない空間が用意されている他、急性期治療病棟をより機能的に、また安全に運営していくための多くの工夫がなされた構造になっています。「絶えず変化を求める気持ちこそが進歩するために最初に必要となるものである」というのはエジソンの言葉ですが、私たちはこれまで大学病院で初めての包括病棟の導入、3種の入院集団精神療法のシステム化など、新時代の精神科病棟運営において様々なチャレンジを試みてきました。

先人と現医局員の努力の結果根付いた急性期病棟は、これからハード面の充実化とともに、さらなる飛躍を必要とされるときを迎えます。いうまでもなく、来年度の入局者は、この新病棟でスタートを切る最初の研修医となります。共に歴史の扉を叩く同志が集うことを期待しています。

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見学、食事会、飲み会

 当科では随時、施設や診療に関する見学などを受け付けています。また今後、気楽にコミュニケーションをとれる食事会や飲み会を企画していく予定です。
当教室に関する様々な疑問には医局長が直接お答えしますので、メールかお電話で気軽に御連絡下さい。


  TEL:0942-31-7564
  E-mail:psychief@med.kurume-u.ac.jp

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平成22年4月1日 久留米大学医学部神経精神医学講座
医局長 小鳥居望

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