医局長挨拶

教室紹介~精神科医を目指している先生たちへ~

 久留米大学は九州一の大河、“筑紫次郎”こと筑後川の裾野に広がる筑後平野の真ん中、人口30万人の久留米市に位置する大学です。講座沿革のページにありますように前身の九州医学専門学校の創設は昭和3年、当講座の開局は昭和5年で平成21年は講座の開講から80年目の節目の年になります。

 この歴史の中で久留米大学医学部は非常に多くの医師、特に臨床医を輩出しており、神経精神医学講座も281名の先輩精神科医(同門会員)と87名の現役医局員を有する比較的規模の大きな医局に成長しています。医局員のうち41名は久留米大学以外の出身者、19名は女性です。

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精神科の魅力

 精神医学は近年急速な進歩を遂げている脳科学が目指す、脳とこころの機能解明とその先の精神疾患の病態解明という科学的側面と、複雑化する社会の中でのうつ病や自殺者数の増加など、こころの健康、こころの医療の必要度の高まりという社会的側面の両面から重要度が増している分野です。今や精神医学・医療の裾野は生理学、生化学、分子生命科学といった医学の基礎領域のみならず自然科学では理数科学や物理学、人文科学では心理学、社会学、哲学から法学に至るまで幅広い領域を巻き込み発展しています。「人」に興味のある限り必ず、あなたが必要とする、そしてあなたを必要としている領域が精神医学・医療の中で見つかります。また、その幅広い関心を持つ専門家一人一人を内包するだけの大きな許容量を精神医学は持ち続けています。今後、医師を目指す学生さん、初期研修で「人と向かい合うこと」をについて考え始めた研修医の先生たち、多くの人に精神医学・医療の専門家を目指してほしいと私たちは考えています。

 さて、では大学、久留米大学で精神医学・医療を学ぶこととはどういうことでしょうか?

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大学の医局で学ぶと言うこと

 私の好きな言葉の一つにアメリカ合衆国建国の父であるベンジャミン・フランクリン卿の”An investment in knowledge always pays the best interest.”「知への投資が常に最大の利潤をもたらす。」という言葉があります。ここでいう「知」が単に机に座って教科書を読むといった「お勉強」で得られるものに留まらない事は言うまでもないでしょう。私は最善の「知」を得るためには本人の熱意もさることながら、「出会い」と「機会」がとても重要だと考えています。人との出会い、書物との出会い、診療の機会、議論の機会。あなたが広く豊かな精神医学・精神医療の「知」を得て、自己実現という大きな利潤を得るために、私たちの教室は幅広い人との出会いと診療、研究、教育の機会を提供します。

 医局員や同門会員の多さは様々なスタイルの精神科医に身近に接する機会を提供します。久留米大学病院精神神経科の外来の年間初診者数は1600超、再来のべ診察数約44000、58床の急性期治療病棟の年間入院数が約250ですから、大学の精神科としては間違いなく臨床に忙しい医局です。しかしそれは様々な患者さんと出会う機会、診療の機会、多くの先輩医師との出会いと指導、助言を受ける機会を得る事に他なりません。病棟では「専門医としての基礎作り」の実現のために指導専任の4人の先輩医師と病棟医長、副病棟医長が研修医のサポートにあたりますからその忙しさも「身のある」ものです。病棟は集団精神療法に熱心に取り組んでおり、看護師のみならず作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士も含めたチーム医療を実践しています。その他に脳の形態や機能、活動状況を知るための最新のツールとその意義、利用法を知る事は民間病院ではなかなか得づらい機会の一つでしょうし、総合病院の精神科としてコンサルテーション・リエゾン活動や合併症治療について学べる事も重要な機会です。また、教育関連病院での研修も様々な土地で、それぞれ特徴ある地域医療を展開する多数の病院の中で行う事ができますから、研修、実践のみならず、見聞を広めるにしてもその機会の広さは折り紙付き付きです。臨床・基礎の大学院への進学や、国内・国外への留学の機会も豊富にあり、平成21年4月現在、3名の先生が米国で、7名の先生が国内の高度専門施設で研究や臨床目的で留学中です。

 これらの「機会」の繰り返しの中で当医局の医師たちは前進と吟味、取捨選択を繰り返し久留米大学の、そしてそれぞれの21世紀の精神医学・精神医療に取り組んでいます。研修の具体的な内容に関しては研修医募集のページを参照して下さい。

 当教室に関する様々な疑問には医局長が直接お答えします。また、随時、施設や診療に関する見学などを受け付けています。上記「研修医募集」のページをご覧の上、メールかお電話で気軽に御連絡下さい。

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平成21年4月1日 久留米大学医学部神経精神医学講座
医局長 富田克

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